Analects of Snufkin


物欲
「そうだな。なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、む ずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、立ち 去るときには、それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、かば んをもち歩くよりも、ずっとたのしいね」[2]

「それはいいテントだが、人間は、ものに執着せぬようにしなきゃな。 すててしまえよ。小さなパンケーキ焼きの道具も。ぼくたちには、用の なくなった道具だもの」[2]

「ありがとう。でも、いまも考えたんだけど、持ち物をふやすというの は、ほんとにおそろしいことですね」[2]

漂泊
「そういうこともあるかもしれないぞ。ぼくたちは、本能にしたがって 歩くのがいいんだ。ぼくは磁石なんか、信用したことがないね。磁石は、 方角にたいする人間の自然な感覚を、くるわせるだけさ」[2]

「家ってやつは、どいつもこいつも気にいらないな」[8]

「いや、野宿のようにすてきなものを、ぼくは、ほかに知らないね」[8]

楽観
「よし、よし。でも、冒険物語じゃ、かならず助かることになってるん だよ。まあちょっと、上をみてみろよ」[2]

「こまかいことをいうなよ。そのぐらいのちがいなら、ぼくたちの計算 では、合ってるというんだ」[2]

人生
「なにかためしてみようってときには、どうしたってきけんがともなうんだ」[1]

「おちつきなさいよ、ヘムレンさん。なんといってもあなたは、ずいぶ んしあわせじゃないですか」[1]

「生きるってことは、平和なものじゃないんですよ」[1]

「おまえさん。あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、ほんとの自 由はえられないんだぜ。ぼく、よく知ってるがね」[3]

「そうかい。たいせつなのは、じぶんのしたいことを、じぶんで知って るってことだよ」[4]
文献(講談社)
[1] たのしいムーミン一家 (訳:山室 静)
[2] ムーミン谷の彗星 (訳:下村 隆一)
[3] ムーミン谷の仲間たち (訳:山室 静)
[4] ムーミン谷の夏まつり (訳:下村 隆一)
[5] ムーミン谷の冬 (訳:山室 静)
[6] ムーミンパパの思い出 (訳:小野寺 百合子)
[7] ムーミンパパ海へいく (訳:小野寺 百合子)
[8] ムーミン谷の十一月 (訳:鈴木 徹郎)

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邑 tsumura@kuis.kyoto-u.ac.jp

Last modified: Fri May 16 13:46:15 JST 1997