Rakugo Terminology
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上方落語を聴くに当たって、知っておきたい用語、上方特有の言葉、
最近使わない言葉、などを集めてみました。
(なお、用例は枝雀師に大きく依存しています。)
あ / か / さ /
た / な / は /
ま / や / ら /
わ
 
 - 《あ行》
 
- いかき【笊籬】
 
  - 竹で編んだ籠。ざる。
   
   「先帰って畳上げたら大きな穴あいてるに違いないわい。
   そこへいかき持って待ってんねんで。...」
   (猫の忠信)
   
 
 - 《か行》
 
- かく【舁く】
 
  - かつぐこと。「駕籠を舁く」
   
 
 
 - かんてき
 
 - いわゆる七輪のこと。
   
   「茶沸かすのに、かんてき持ってきて、からけし入れて炭入れてと」
   (延陽伯)
 
 - きろく、せいはち【喜六、清八】
 
 - 関東ものの「熊さん、八っつぁん」にあたる。「喜公 (きーこ)」
   「清やん (せーやん)」と呼びあう。三人の場合、普通は
   「源兵衛 (げんやん)」が加わる。
    
   
 
 - くろやき【黒焼】
 
 - イモリなどを土製の容器などに入れて蒸焼きにしたもの。
   
 
   
 
 - こうこ【香香】
 
 - こうのもの。漬け物。おもに沢庵をいう。
   
   「なんや、言うてた。香香のうまいの貰ろたて。」
   「ごめん。あれもう、わてみな食てしもたの。食てしもた。食てしもた。...」
   (替り目)
 
 - ごくどう【極道】
 
 - 落語では主に、放蕩をすること。また放蕩者を指して言う。
   
   「必ずともに、うちの極道を見習うでないぞ。」
   「へーい。親旦さんも若旦さんが極道でご心配なことでんな。」
   (親子茶屋)
   
 
 - 《さ行》
 
- ささ【酒】
 
  - 酒をいう女房詞。
   
   「『小間物屋。そなた、ささは上がらぬか。』と、こうや。」
   「源やん。言うといたげるけどね、笹やみな、あんまり食わん方がエエよ。
   あんなもん食うたら、お腹の中ガサガサガサガサいうよ。」
   (宿屋仇)
 
 - さんじっこく【三十石】
 
 - 江戸時代、荷物と客をのせて、大坂・伏見間の淀川を往来した川船。
   そのものずばり「三十石」というネタもある。
   
   「えーっ。ちがうちがう。ありゃ他人の話や他人の話や。
   たしか三年前やと思うねけどな、三十石の中で聞いたんや、うん。
   そいつなかなかすらーっとしたええ男やった。...」
   (宿屋仇)
 
 - じんべはん【甚兵衛はん】
 
 - 
   
 
 
 - ずだぶくろ【頭陀袋】
 
 - 頭陀僧が経巻・僧具・布施物などを入れて首にかける袋。
   だぶだぶして何でもはいるような袋。 
   
 
   
   
 
 - 《た行》
 
- たのもし【頼母子】
 
  - 組合員が一定の掛金をし、一定の期日に抽選や入札によって所定の金額を順次に組合員に融通する。頼母子講。
   
   「金物屋の佐助はんでございますね。それが頼母子ができとるのやそうでございますね。初回が貰いになってますのやそうで、
   貰いの初回を不参するというわけにもいかませず、
   まことに残念でございますけれども今回のところは...
   ということでございます。」
   (寝床)
 
 - ちゃじん【茶人】
 
 - 変ったことを好む人。一風かわった物好き。
   チチ松村さんの好きな言葉としても有名(?)。
   
   「いや。わいはうちのおなべをかかにするな。」
   「聞いた?聞いた?ふーん。お前も茶人やね。」
   「茶人っちゅう奴があるか。」
   (仔猫)
 
 - てんびんぼう【天秤棒】
 
 - 両端に荷をかけ中央を肩に当てて担う棒。おうご(朸)。
   
 
   
 
 - でんぼ
 
 - 腫れ物。できもの。
   
 
   
 
 - とどめさす【止め刺す】
 
 - 最も優れている。それに限る。
   
   「土と申しましてもね、ただただそこら辺にある土はこれ駄土と申しまして、
   こんなん食べまへん。こりゃあやっぱりね。壁土。
   やっぱり人の手が入ってね。藁やとかが入って、捏ねてという。
   あれに止め刺します。」
   (こぶ弁慶)
 
 - とみ【富】
 
 - 今でいう宝くじ。富籤。富突。ちなみに「高津の富」では、
   富札一枚の値段は一分で当り籤は一番の千両が「子の一三六五番」。
   
 
   
   
 
 - 《な行》
 
- なまぶし【生節】
 
  - 鰹の肉を半乾しにした食品。なまりぶし。
   
   「...そこへして生節ぶわーっと広げてやったら、相手は畜生や
   喧嘩忘れて喰いよるわい。んで喰い終わったらまた喧嘩や...」
   (胴乱の幸助)
 
 - にうりや【煮売屋】
 
 - 魚・野菜・豆などを煮て売る店。旅人が休憩すること等もできた。
   枝雀師曰く「ドライヴインレストラントのアンティークなやつでございますね。」
   
 
   
 
 - ねぶか【根深】
 
 - 葱(ねぎ)のこと。
   
   「そういや玄関に葱あったな。根深おくんなはれや。」
   「葱くらい使こたらええやないかい。」
   (池田の猪買い)
   
 
 - 《は行》
 
- ぶさいく【不細工】
 
  - 不器用なこと。
   
   「弾けますかこれ。弾かれしまへんで。
   あんさん三味線どころか火の番の太鼓も満足によう打たん、不細工な人や。」
   (親子茶屋)
 
 - ふちょう【符丁】
 
 - 合図の隠語。あいことば。
   
   「『御手』高いな。そこ『鬼手』にしとき。」
   「『鬼手』? すんまへん。わたいら長いこと駕籠屋やってますけど
   『鬼手』てな符丁、知りしまへんのです。」
   (住吉駕籠)
 
 - ぽち【点】
 
 - 心づけ。祝儀。チップ。
   
   「『勘定は』て聞いたら『ぽちも入れて二分一朱でおます』て安いわ、
   ははは...。むぅ、駕籠屋、嘘やと思てるな。嘘でない証拠に...。」
   (住吉駕籠)
   
 
 - 《ま行》
   
 
- 《や行》
 
- やなぎかげ【柳蔭】
 
   - 味醂と焼酎を半分ずつブレンドした酒。夏場に冷やして飲む。
   
   「どうや植木屋さん。あんた柳蔭てなものを飲んでか。」
   「なんでございます旦さん。柳蔭でございますか。贅沢なもの上がってはるんでございますね。」
   (青菜)
   
 
 - 《ら行》
   
 
- 《わ行》
 
- わりき【割木】
 
   - 縦に割って細くした薪。
   
   「そこに割木があるやろ割木が。それで床をたたいてみ。」
   (夢八)
 
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Last modified: Fri Sep  4 19:35:05 JST 1998